2024.4.27 OA
FMヨコハマ「FUTURESCAPE」
DJ:小山薫堂 柳井麻希
ゲスト:遠山正道 森脇淳一 街角マチコ
(新種のImmigrationsB)
遠山 コロナになってすぐ、どうしたらいいかわかんない状態で家に篭っていた時に、なんかしなきゃって言って、コミュニティを作ったんです。それが、新種のimmigrationsっていうコミュニティ。
小山 それはネット上のコミュニティってことですか?
遠山 一般的にオンラインサロンといわれる仕組みを使いつつなんだが、どっちかっていうとフィジカルに会うみたいな感覚のものなんですね。
その中に、たまたまと言うのかな、マチコさんだったりとか、かつてシカゴのアンダーグラウンドでノイズやっていたギターの知子さんていう人とか、今日ここにいる森脇くんは、かなりサブカルな音楽まわりにずーっと携わってたり。
遠山 新種のimmigrationsを作るときに、私が書いた文章の中にね。”新種の蝶を発見したり、バンドを作ったりがあるかもね”みたいな、そんなステートメントみたいなのを書いたんですね。まさか本当にバンドがうまれるとか思ってなかったんだが。私、楽器なんかもできないしね。だけど文章はまぁ、昔から色々書いたりしていて。森脇くんが、「昔の小林秀雄のカセットテープみたいな感じで、朗読に音楽を乗せたら、新しいスタイルのバンドになるんじゃないか」と言い出して。
小山 なるほど。
森脇 朗読のレコードっていうのは昔から結構あって、三島由紀夫さんとか石坂浩二さんとか、やられたのがあったのは知ってたんですけど。遠山さんの声がまず、いい。
小山 声がいいですよね!
森脇 もちろん言葉もいいから、そのままで演奏に乗っかってたら、すごくかっこいいんじゃないかと。実は、ずっと思っていて。
小山 なるほど。
森脇 だからとくに歌の練習とかも「遠山さん、いっさいされなくて大丈夫なんで。」
街角 歌わないですね。
遠山 それはやめてくれって?ww
森脇 むしろそこは、いろんな(歌う)方がいらっしゃるんで。
小山 じゃあ、ライブとかはもうやってるんですか?
遠山 いえ、それで、今度5月にいきなりフェス…
柳井 いきなりフェスデビュー!?
街角 デビューです。
https://immgr.site/events/762704c24d0c
遠山 練習3回だけやったんですけど。なんていうかね、要するに正解のない楽曲なんですよ。なので練習してもあんまり意味がないっていうか。何かを合わせていくような佇まいではないんですね。そもそも曲の作り方がね、知子さんと息子のアンドレ15歳、こないだ高校生になりましたね。
柳井 え!?
遠山 その二人がiPhoneで録音して送ってきて。
街角 LINEグループに。
遠山 マチコさんがテルミンのっけて、そこに私、最近YouTubeやってるので、まず映像をくっつけて、自分で作ったその映像を見ながら詞を書いて、最後にポエムを朗読し、森脇くんが合わせる、ガレージバンドで。
小山&柳井 はー
遠山 だからiPhoneとLINEで作ってるバンド。
柳井 じゃあ、どこかレコーディングスタジオ集まってとかっていうことではなくて?
遠山 ない。
柳井 ないんですね。
森脇 LINEです。
小山 でもそんな人たちが、かなり大きなフェスに、いきなり出てしまうw
遠山 まぁ実はね、アーティスト枠っていうかメインのステージの横で、植田工くんていうペインターが、一日ライブペインティングする、その前で一緒にやるんです。
柳井 ペインティングとのコラボレーション?
遠山 ですね。むしろ我々が一番いいポジションなんじゃないかなとすら思いながら。
M1)新種のImmigrationsB「めんえき」
小山 なんか…かっこいいですね!
遠山 ギターとドラム、そしてマチコさんのテルミンが。こういうのノイズなの?
森脇 ねぇ、なんと言えばいいんでしょうね?
小山 僕、テルミンが入るから、もっとゆっくりとしたリズムかと思ったんです。ふわふわした感じの。
遠山 私もそう思ってましたww よくある、昔からある曲をカバーする機会とかも、テルミンとか多そうな。
街角 そうですね。
遠山 それがもう本当、爆音のように。
街角 やっぱりあのドラムとギターに合わせるとなると、ちょっと違うかなと。
遠山 あとなんか、70年代っていうのかね。シンセサイザーが登場した頃の壮大なスペーシーな感じ。
柳井 テルミンをこういうスタイルで、今まで合わせたりとか作られたことって?
街角 あんまりなかったですね。テルミンて電子楽器なんで、いつものが生音って感じじゃなくて、私が好きなああいう音に設定してるだけで、正解の音って、元の音っていうのがないんで、その時その時。
小山 へー
柳井 じゃあある意味自在というか…
街角 そうです。
小山 演奏する日の気分とかで変わったりするんですか?
遠山 だいぶ変わりますw
柳井 へー、おもしろーい。
小山 音楽って自由なんですね。
遠山 そうですね。音を楽しむって書きますからね。
遠山「一人一人が自分の幸福を探る道を、自由に作っていけばいいと思うんですね。これから、大きな経済の時代じゃなくて、小さな幸福を自分で作っていく、それは誰であってもね。」
柳井 これを一つにまとめていくのが、森脇さんの作業に…
森脇 そうなんですよ。
遠山 とにかくおだててくれるw
森脇 いいですね!いいですね!って言う、ひたすら。
小山 これは何が最初なんですが?言葉が最初なんですか?曲が最初なんですか?
森脇 これは言葉でしたっけ?
遠山 今はそれが多いんだけれども、1曲目はさっきみたいにビジュアルが最初にあって、ビジュアルを見ながら私が詞を書いたので、曲先でも詞先でもなく、ビジュ先。
森脇 ムビ先とも言います。
小山 ムビ先!
柳井 なるほど。
遠山 だからどんどん普通の音楽の方に寄っていかない感じがあって、安心してますね。
柳井 完全にワンアンドオンリーみたいな。
遠山 かっこよく言えば、私の中の表現とかがあるのを、混ぜたり重ねたりしていれば、似たようなものにはならない。面白いです。
小山 すごいですね。還暦過ぎてもこういうことができる大人って、かっこいいですよね!
柳井 無限大。
柳井 遠山さんが考える新種の老人とは、どういうスタイルなんですか?
遠山 一人一人が自分の幸福を探る道を、自由に作っていけばいいと思うんですね。これから、大きな経済の時代じゃなくて、小さな幸福を自分で作っていく、それは誰であってもね。それを表現って言ってみたりとかするんですけど、そういうときの一つのとっかかりかな。私は60歳になったときに、もう老人て言える権利あるなと思って、言ってみたって感じですね。そのことで何かが生まれてくるかもしれないと。
小山 なるほど。新種の老人。僕、あと2ヶ月で新種の老人になるんですけど、、、
遠山 ようこそ!
小山 なんかやんなきゃって気になってきますね。遠山さんを見てると。
遠山 アートの仕事してるんで、横尾忠則さんなんか見てると、80いくつでも全然元気っていうか、ますますよくなるっていう。
遠山 ミュージシャンもそうかな?
森脇 そうですよ。ローリング・ストーンズ、アメリカツアー。80歳ですからね。
小山 すごいですね。
柳井 びっくり!
森脇 ミック・ジャガー、昨日NASAからインスタあげてましたから。
小山 へー
森脇 いいね!押しときました。
小山 はははは
柳井 体の動きとかバッキバキですもんね。
小山 かっこいいね。昨日僕あの、繰上和美さん、写真家の、88歳ですからね。それであんな…
遠山 細身のパンツ履いて。
小山 かっこいい写真撮ってて。
小山「森脇さん、すごいですね。この人(遠山さん)でバンド作ろうって考えることが。」
柳井 いいですね。一つのスタイルとして、このバンド、皆さんの気持ちを引っ張ってってくれるような。
小山 ちょっと、もう一曲聞きたいんですけど。
遠山 ご用意したのは、ウチの中でも一番ヤバめな感じ…
小山 ヤバめ!?
遠山 これはちょっと歴史があるんだけど。7,8年前かな。私、瀬戸内海の豊島に檸檬ホテルっていう…
小山 アート作品ですよね。
遠山 1日1組泊まれる宿なんですけど。そこの作品として、私のポエムのようなナレーションみたいなのがあって、その部分を切り出して曲にしたっていうものなので、ちょっと独特なもの。
小山 これは宿先てことですね。
遠山 宿先!そう、使わせてもらいますw
M2)新種のImmigrationsB「檸檬ホテル」
小山 すごい…
柳井 すごい聞き入っちゃうっていうか…
小山 なんか眠くなってきましたよ。
街角 テルミン効果ですかね。
柳井 ハッピーな感じというか。
遠山 そういえば、檸檬ホテルの時に、アミューズの大里会長がこれを聴いて「これは誰だ?」っていうんで「遠山っていう人らしい」って会食して、そこから繋がりができたり。
小山&柳井 へー
遠山 デビューにはなりませんでしたけど。
小山&柳井 はははは
小山 でも、森脇さん、すごいですね。この人(遠山さん)でバンド作ろうって考えることが。
森脇 もう、見えちゃったっていうかね。こういうバンドできたらかっこいいだろうなっていうのを。あれ、居酒屋でしたよね?
遠山 彼は、高橋幸宏さんと山本耀司さんのレーベルにいた人なの。
小山 へー
遠山 山本耀司さんの歌とかも、ほとんどポエムみたいなの。めちゃめちゃかっこいいなって聴いていて。なんかね、その感じはあるかな。
柳井 今日、2曲聴かせていただいたんですけれども。曲によって趣が違ってくるし、今後、バンドはどういう形になっていくんでしょうか?
遠山 どうですかね…あんまり未来見据えてないですが、でもまぁ、自由度は相当高いんで、変化もしていけるでしょうし。今、Apple MusicやSpotifyにも8曲くらいかな、配信されてるんで。
小山 あ、そうなんですね。
遠山 みんな聴いて、ご意見でもいただきながら、そのご意見をそのまま歌詞にしちゃうとかね。
小山 面白いですね。僕、さっきの「檸檬ホテル」聴きながら閃いたのは、遠山さんのお葬式でやったら面白いだろうなっていう…
柳井 今、森脇さんがグー!ってしてましたけどw
小山 ライブがお葬式で、今の言葉が最後に綴った言葉が流れてきて…
遠山 あぁ、いいですね。まぁ40年後ぐらいの予定なんですけどw
街角 やりますよ。
遠山 ぜひお願いします。
遠山「コミュニティって、みんな、お金を出して集まって、自分たちの持ってるアイデアや能力もみんなで出し合って、なにがしかをやっていくんですよね。これからの社会って、なんかそんな感じになってくるかな」
柳井 新種のImmigartionsBというのは、一つのコミュニティの中でうまれた一つのバンドという形になりますけど、新種のimmigrationsというコミュニティは、これからどういう活動をしていくんですか?
遠山 ひとり1万円で、サブスクっていうんでしょうかね、100人くらいいて、集まったお金でみんなで何やろうかみたいなことを、色々やるんですね。今年はたぶん「新種のバザール展」ていうのを、一昨年やったんですけど、ひとり20万円ぐらいずつ渡して、売れなくてもいいから新種のものを提示して、展覧会みたいなものをやる。
小山 実際に売るわけですか?
遠山 うん。ちっとも売れないんですけど
一同(笑)
遠山 一昨年はね、あるメンバーは少年の習字の書き損じを2000枚ぐらいコレクションしてて、それの展覧会とか。あるメンバーはメモ魔なんで、ポストイットにメモをたくさん書いてそれを売ったりして、ちっとも売れないっていう。
一同(笑)
小山 売れないってことがいいんですか?
遠山 そんな感じですね。売れなくていいっていう指示なんです、最初から。
小山 はー
遠山 そんなの、私もビジネスやってきた中で初めての指示なので。売れるっていう目的ではなくて、新種の、自分たちの表現を試してみようっていう機会ですよね。
小山 僕、昔、自分の文字を計り売りしたことがあるんですよ。
遠山 おもろい。
小山 映画「おくりびと」の脚本書いたときのギャラで文字数割ったら、一文字178円だったんですよ。
遠山 高いんだか安いんだかw
小山 原稿用紙に1文字178円で売るんですけど、ガチョーンとかって書いて600いくらですとか。
遠山 いい商売だなw
小山 結構売れましてw
遠山 そこが違うな、やっぱり。
柳井 でもそうやって新しい何かを試したりとか、表現というものを 皆さん自由に、これやってみたらどうかなっていうものを、そこで表現できるっていう…
遠山 そう。コミュニティって、みんな、お金を出して集まって、自分たちの持ってるアイデアや能力もみんなで出し合って、なにがしかをやっていくんですよね。これからの社会って、なんかそんな感じになってくるかなっていう、お金出して選ばれた人が集まって、みんなでその範囲で楽しくやってく。そういうところに、私は、仕事でも趣味でもない"第三のゾーン"と言ってるんだけども、そういうことをやってると、従来の仕事みたいなのが、そこにくっついてくるっていうか。
小山 うまれそうですね。新種のImmigrationsBからもなにかまた、うまれるかもしれないですよね。間違えて、CMの楽曲の依頼とかくるかもしれないですよね。
遠山 ぜひ!本当、詞の自由度が高いので、そのへんは得意ですね。
森脇 すぐできますしね。
遠山 3日ぐらいあればね。
小山 3日納品でw
街角 ボイスメモが届きます。
柳井 LINEでね。
小山 で最後、森脇さんとこ行って仕上げるっていう。
森脇 2日くらいあればね。
遠山 そう。
柳井 楽しそう。
小山 面白いですね。
(オンエアより抜粋)